壊れた時間

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ガラスとガラスの間にオレンジの大きなひまわりが飾らた、可愛い有紀子お気に入りの時計だ。2年ほど前 雑貨屋で一目惚れして購入した時計の針はもうすぐ9時になろうとしている。 「起きたァ?」 ソファーに座りながら、愛美はニヤニヤして言った。 「あぁ~ 帰ってたの?ごめん。寝てたわ」 有紀子はこめかみを親指で押さえながら顔をしかめた。 「とっくに帰ってましたけど?ご飯、適当にたべたよ。」 「いつの間にか寝ちゃた。ドラマ見逃したわ。残念」 「柚希は?」 「カラオケに学君達と行くって。遅くなるって電話あったし、もうすぐ帰ってくるんじゃない?」 「また!まなぶぅ~?よく連んでるね。」 愛美は興味なさそにリビングから出て行った。 はぁぁ~ 有紀子は寝ぼけた体を思いっ切り伸ばすと、夕食の支度に取りかかった。 則之が帰って来たのは、それから一時間後。 ―その夜 柚希は帰って来なかった。
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