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まだ呆然としている有紀子の肩に則之は手を置き ギュッと力を入れた。
ハッとしたように身を固くした有紀子に則之は頷くと着替えの為に2階に上がって行った。愛美は何も言わず2人を見ている。
玄関で靴を履きながら
「愛美、朝ご飯はパンでも食べて。コーヒー牛乳は飲んだらちゃんと冷蔵庫にいれてね!それから…」
「もういい。いくぞ。」
有紀子は何か喋ってないと落ち着かなかった。寡黙な則之の背中を急いで追いかける。振り向いて愛美を見ると、不安そうな目が見つめていた。
― 大丈夫
自分に言い聞かせるように、聞こえるか聞こえないか分からないような声で呟くと玄関のドアを閉めた。
中央病院までの道中、2人はどちらも口を開かない。ただ、GReeeeNのキセキだけが流れていた。
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