衝撃の時間

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「はい。」 「あっ。学くん?村井ですけど。朝早くにごめんね。昨日 柚希と遊んだでしょ?カラオケするって。その時の事、詳しく教えてもらいたいの。今いい?」 沈黙の後、ゴソゴソと布団を捲るような擦れた音がしばらくしていたが、唐突に 「おばちゃん、今どこ?俺行くから」 …気を付けて。 自転車で来るのかしら?そんな事を考えながら、携帯を耳から話すと、則之の視線とぶつかった。 「学くん、これからここに来るって。」 「学君とは誰ですか?」 いつの間にか部屋に戻っていた松原が、さっきとは違う優しい声で聞いてきた。 「あの~昨日、柚希が一緒に遊んだ友達です。学くん達とカラオケに行くから遅くなるって連絡があったんです。金曜日は翌日が休みな事もあって、よく遅くまで遊んで帰る事が多くて。だから昨日もまた、羽目外してるのかな?程度で先に休んだんです。起きてても仕方ないですから。心配して電話とかすると、年頃なんですかね、嫌がるんです。」 そこまで一気に喋ると、そばにある携帯をギュッと握りしめた。
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