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寒い冬。
木の上で猿になろうと、上を目指し結局3人とも降りられなくなり、大声で助けを呼びかけ、近くを通りがかった人に助けてもらった。騒ぎを聞きつけた母親が、無事を確認すると バカっ!と頭に平手打ちを喰らった。その木は個人の所有物だったようで、その後色んな大人に親たちが頭を下げていたのを覚えている。
家に帰って親父に叱られ、何でそんな事をしたのかと聞かれたので素直に
「猿になりたかった」
と答えた。
親父と母さんは頭をかかえた。姉ちゃんがゲラゲラ腹を抱えて笑っていたが、その顔は
バーカと言っていた。
「人に迷惑をかけるな。」
そう親父はいい。
「宿題しなさい。もうバカなことしないよ!」
と、母さんはキッチンへ入っていった。
俯いていると親父が、
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