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慎重に色塗りをしていると、隣の机がガタンと揺れた。
「あぁっ」
ガラス玉から色が変にはみ出した。
「ごめん?大丈夫?」
「鮎川ぁ~、当たるなよー」
「ごめん。ごめん。でもキレイだね。それ、お母さんにあげるの?」
隣の席で鮎川美穂は笑いながら見て言った。
「見るな!」
「なんでよ~?謝ったじゃん?」
美穂はクリクリっとした目をさらに大きくし、おどけたように唇をツンと尖らせると、肩をすくめて自分の作業に取りかかった。
チラッと見た美穂の手元には、横に伸びたキティちゃんが踊っている。
キティちゃんが好きなのか―
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