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翌週、最後の仕上げ。
短冊にメッセージを書き、鈴に紐を付けると、短冊に通し上で結ぶ。中々紐通しに紐が入らない。何回も何回も入れるが、穴からは1本の紐しか出てこない。
どうやらみんな、同じ所でつまづいているらしく、チッ チッとあちこちから、舌打ちが聞こえてくる。
―― 通った。
やった~
思わずガッツポーズ。
隣を見ると、美穂も出来上がったようで、伸びたキティちゃんが楽しそうにクルクル回っていた。
―チリーン
風鈴は綺麗な音を奏でいる。
ガラスを手に持ち、向こう側を眺めてみる。
オレンジと黄色に彩られた向こう側には、広い運動場と、大きいタイヤの跳び箱がみえた。
柚希はそのタイヤに座るのが好きだった。
トラックの大きなタイヤが半分、土の中に埋まっている。
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