壊れた時間

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「まなみィ~、ゆずきィ~、早くおきなさぁい~」 階段の下から 叫ぶのが日常。 2階からは鳴り続けるベルの音がまだ、止まる気配は見せていない。 「なんだ、うるさい。毎日毎日、目覚ましの音どうにかならんのかっ!」 と則之が一人愚痴る。 「いっつも夜更かししてるからね。」 仕方ないでしょ。と有紀子は則之の食べた食器を流しに片付けながら、もう一度大声を出した。 やっと起き出した長女。高校3年の愛美と、長男 高校1年生の柚希は、スリッパをパタパタいわせながら、リビングに入って来た。 「おはよゥ~」 「グッどモーニング」 柚希はパジャマのスエットを引きずりながら食卓につき、おみそ汁をすすりながら、
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