41人が本棚に入れています
本棚に追加
「普段から出会いが少ないので今日はめちゃくちゃテンション上がってます!皆、職場の同僚で男だけの飲み会ばっかりしてます。
基本よく喋ります。よろしく~」
私から1番離れた席に座る男性は良く言えば気さくで明るく、悪く言えば軽そうな印象だった。
優子の話しでは彼から今日の合コンを頼まれたらしい。
そんな事を考えていたせいで次に話した男性の話しを全く聞いていなかった。ただ前者同様よく喋っていた。
「――高瀬亮、よろしく」
はっとして向かい合う男に視線を向けた。
前の二人とは正反対の何ともシンプルな自己紹介をした男にしばらく私は目が放せなかった。
よくは分からないけれど、多分彼も私と同じで仕方なくこの場にいるような気がしたから。
そしてようやく自分の番になり、ドキドキしながらも声を出した。
「はっ初めまして、高橋奈々です。えっと……はい。よろしくお願い致します」
結果的に私も名前のみの自己紹介をした。
その瞬間また前の男と目が合った。
そして、また目を細めて小さく笑った。
最初のコメントを投稿しよう!