第1章

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一瞬、ほんの一瞬だけど時間が止まったような気がした。 それでも、やはり苦手意識は無くならず本日何回目かのため息が小さくもれた。 その後、お酒の力もあってか他愛もない話題で私の緊張も少しずつだが薄れていた。 「奈々ちゃん、本当は嫌々だったんじゃない? あんまり男を知らない感じ、あっ純粋そうって意味でね」 開始早々席変えをし、私の隣には優子の友達で幹事の長谷川さんが座っていた。 既にそうとう出来上がって来ている長谷川さんに少し驚きつつ、 「…ハハ、そうですかね」 と、曖昧な返事を返していた。 私の中で、 純粋=真面目=地味 とゆう勝手な方程式が作り上げられていた。 性格が歪んでいるからか自信がないからか男性の言葉は何故だか素直に受け入れられない。
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