第1章

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私は自然と視線を手元に落とした。 「じゃあさ、奈々ちゃんの初体験は何歳?」 「初…体験…ですか」 何だか何をどう返したらいいのか分からなくなって来た。 「もしかしてバージンとか?いや、それは無いか、こんなに可愛かったら少なくても俺はほっとけないな」 確かに私は固い女だと思うし優子や由紀に比べても地味だと思う。 どう答えたらいいのか分からない質問にも言葉を選らんで、やんわり答えていく。正直、かなり疲れる…今度は無意識の内に大きなため息が出てしまった。 「この後、二人で飲み直さない?」 ――聞き間違えだろうか? 「奈々ちゃんって俺のタイプなんだよね、あっ俺いつもはこんな事言わないんだよ」 あきらかに1分前より自分との距離が近づいている。
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