第1章

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襖を開けたのは優子で、いつもより少し高い声で「遅れましたぁ」と中へ入って行く。 その後を続いて私達も靴を脱いで入った。 8畳ほどの部屋の中には既に男性が三人いた、と思う。 数を数える余裕も顔を見る余裕も私には無くって、ただ前を歩く由紀の背中を見つめながら用意されていた席へと座った。 とりあえず視線が合わないよう、チラチラ横に座る由紀を見たり無駄に机を見たりしていた。 そんな由紀も私と同様落ち着かないのか、髪をクルクルと指で絡め取っては放すを繰り返していた。
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