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1st filing ~荒ぶる神々~
それは、突然現れた
「な、なな……」
自分との距離、約30メートル
そんな離れた位置からでもハッキリと聴こえてくる唸り声
「うわ…」
本能で危険を察知し、後退りをしながら、今になって後悔していた
アイツに気付かれなければ、何も考えずにビルの角を曲がらなければ、あの場所から出なければ
あの時、目覚めなければ
「うわぁ!?」
アイツは、俺の頭の上を軽々と飛び越えて前に立ち塞がった
30メートルのあの距離を
「た、たすけ……」
腰を抜かして動けなくなった俺をしばらく見つめて
強靭な顎がゆっくりと開いた
「うわぁーーーー!!!」
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