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「………………」
目の前の惨劇を見ながら、俺の思考は完全に停止しかけていた
先ほどまで獲物を目の前に生き生きとしていた化け物が、今は原形をとどめていない
それどころか、新たに現れた黒い生き物が骨を砕くような音をたてなから黙々と食べている
「生存者を発見した…」
いや、間違えた。食べ『させ』ている。だ
『生存者?そんなはず無い。この辺りの区域には人の住める場所なんてないわ。むしろ、奴等の巣窟よ』
「なら…俺の目の前にいるコイツは、幽霊か新種の奴等だとでも言うのか?」
『どちらにせよ、会ったからには置いて行けない。今回のミッションはもう完了だ。ソーマ、生存者は任せたぞ』
何やら話をしていたのか、フードを被った少年は「了解」っと言って通信を切った
「ふぅ……ほら、行くぞ」
手を差しのべられる
「………はっ…」
次の瞬間、我に返った俺は、どす黒い血に染まった自らの着ていた白衣に目が行った
「あっ……ああ…」
「おい。どうした…?」
血に染まった少年を目前に
「おい!?」
俺は気を失った
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