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その理由とは…
「トーナメント形式で闘ったら、勝つ1チームは絶対ショウ達のチームじゃないですかぁー」
間延びしながらもはっきりと言い放ったのは、あやかと同じチームの最後の1人、舞永 裏紗(マイナガ リサ)だ
「頭はともかく実力は、あの、安倍 晴明(アベノ セイメイ)の再来じゃないかとまで言われてる、このクラス唯一の“Aランク生徒”アキラが居るんですからぁー」
所々刺を含んだ気力をあまり感じられない声で淡々と話す裏紗
他の生徒達も顔を見合せながら眉尻を下げる
「トーナメントは2つあるんだショウ達のチームに当たらないように頑張るんだな、運も実力の内って言うだろう?」
鵺川の言葉を聞いた生徒達は無理矢理自身を納得させ、トーナメント表の組み合わせを決めるクジをチームの代表が引いて行く
しばらくしてトーナメント表が完成し、鵺川が発表していく
「トーナメント表Aの第一試合はショウチームと拓人チームだ」
呼ばれたチームが前に出る
「いきなり俺達のチームかよ」
少しめんどくさそうにしながらも淡く微笑むキセラ
それを横目にみたアキラは2年前に戻ったような気がし、キセラ同様、淡く微笑んだが、すぐに、いつもの皮肉を含んだ笑みを相手チームに向ける
「拓人ってば相変わらず運悪いなぁ~」
アキラの言葉に相手チームのリーダー、小鳥遊 拓人(タカナシ タクト)は、ムッっと顔をしかめ、反論する
「逆だよアキラ、俺達は運がいい、お前を倒すチャンスを手に入れたんだからな!!」
高らかに言い放った拓人だったが…
「今度こそお前をたおツルッうわっ!?」
足を一歩前に出した瞬間、足を滑らせ、盛大に転んでしまった
その光景をみた一同は一瞬我慢するも、美咲が吹き出したのをかわきりに、皆、堪えていた笑い声が外に漏れる
「み、みみ皆わわ笑ったらし失礼だよww」
ショウが必死に笑いをこらえて言うも説得力は全くない
「おい、大丈夫かよ?」
苦笑しながら拓人に手を差し伸べるアキラ
「全然平気だ!!」
目にうっすら涙を浮かべながら言われてもショウと同じく説得力は全くない
「じゃあ、そろそろ試合を始めるぞ!」
鵺川の声で空気が一気に張り詰める
「審判は俺が勤める、どちらかが負けを認めるか、俺負けと判断したら試合終了だ、式や使い魔を使うのもありだ、それじゃあ……………初め!!」
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