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柔らかな、春風そよぐ清々しい朝
「やべぇぜショウ…後2分で門が閉まる!
このままじゃ、また先生に怒られるぞ!!!」
その清々しい朝を騒々しく駆けて行く二つの影
「アキラがお弁当忘れたりするから…」
蒼く煌めく長い髪を低い位置で一まとめにしている少年と高い位置でポニーテールにしている少女、名前は風宮晶(カゼミヤ ショウ)と風宮晶(カゼミヤ アキラ)
「そういう事言うなよ!」
彼らは兄妹、しかも双子、その姿は鏡映しの如く瓜二つ
でも、それは、見た目だけで、責任感が強く几帳面な兄と喧嘩早く自由奔放な妹
「相変わらず、お前等が似てるのは見た目だけだなぁー(笑)」
『隗(カイ)!!』
言い争っていた双子の前に音もなく現れた小さな“子猫”
「今日の晩飯、秋刀魚がいい」
『はぁ!?』
子猫の急な要求
「乗せてやるっつてんだよ」
遅刻寸前の彼らは迷った、子猫の要求を飲むべきかと…
「また、季節外れの物を…」
今は春、まったく持って季節外れだ
「仕方ねぇーよショウ」
片割れの言葉に渋々頷く
「しょうがないね…」
二人の言葉に満足気に嗤う子猫
「素直で嬉しいぜ♪」
子猫…否、隗は小さく呟くと、瞬き一つの間に巨大な黒い獣へと変わった
「さっさと乗れ!!」
双子は隗の背中に飛び乗った
「隗!!急いで、門が閉まる!!!」
学園への門が閉ざされる直前、ギリギリ飛び込めた二人と一匹
「セーフ♪」
なんとか遅刻をまのがれた双子
妖怪と共に登校
彼らにとっては、
これが日常なんです…
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