バカなんです…

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此処は2年D組の教室 なんとかホームルーム前に間に合った双子は窓際にある自分の席に座った、すると… 「お二人共間に合って良かったわ♪」 双子に話し掛けてきたのはお嬢様口調が特徴的なふんわりと明るいブラウンの髪をした少女 『あっ!おはよう雛乃』 彼女は姫川雛乃(ヒメカワ ヒナノ)双子の幼なじみだ 「おはようございます♪でも、本当に間に合って良かったわ、この陽陰(ヨウイン)学園は私達が普段、生活している世界とは異なる“異界”、だから、門が閉じればこの学園に入れなくなってしまうもの!」 雛乃の言うとおり、陽陰学園があるのは“異界” そのため毎朝開く、異界への門で生徒達は登校している 「アキラがお弁当を家に忘れたりするから…」 ショウの言葉にアキラが反論する 「あ、あれは忘れたんじゃない!!」 アキラの言葉を怪しむショウ 「じゃあ、なんだって言うのさ…」 ショウの言葉に頷く雛乃 「忘れたんじゃない…わざと置いてきたんだ!!」 「忘れたと言った方がましだ!!!」 双子の兄弟喧嘩を微笑ましく眺める雛乃だったが我がクラスの朗報を思い出した 「ショウ、アキラ、実はビックニュースがあるの」 雛乃の言葉を聞いて言い争っていた双子は思わず手を止める 『ビックニュース?』 “?”を頭に浮かべる双子に頷き話始める雛乃 「実は、私達のクラスに転校生が来るんですって」 『へぇー、転校生か』 雛乃の言葉に二人とも同じ反応を示す 「それで、転校生っていうのが、キセ「ホームルーム始めるぞー、席に着けぇー」 雛乃の言葉を遮るように2年D組の担任、鵺川(ヌエカワ)がホームルームの始まりを告げた 先ほどまで騒ついていたクラスが一気に静かになり、鵺川が話始めた 「えー皆も既に知ってると思うが、転校生を紹介する、入れ」 ガラッっと扉が開き金髪の少年が教壇に立った そして、双子と雛乃は見覚えのある転校生の顔に声を上げた 『キセラ!!』 キセラと呼ばれた転校生は三人を見て嬉しそうに微笑んだ 「なんだ、お前等知り合いか?」 鵺川は頭を掻きながら呟やいた 「とりあえず、自己紹介してくれ」 鵺川の指示に従い転校生は口を開く 「キセラ・ユインです、よろしくお願いします♪」 ニッコリと微笑み挨拶する転校生 転校生を見て固まってしまった双子と雛乃達三人 転校生は固まったままの三人を見てクスリと笑い《久しぶり》と呟いた
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