バカなんです…

3/3
前へ
/84ページ
次へ
ショウ視線 海を映したような碧い瞳、雪を思わせる白く透き通る肌、癖毛が目立つ短い太陽の様な金髪 似てる…2年前、イタリアに留学したもう一人の幼なじみに 「キセラ・ユインです、よろしくお願いします♪」 鵺川先生に促され転校生はニッコリと微笑み短く自己紹介した 微笑む彼を見て僕達は間抜けにもポカーンと口を開けたまま固まっていた そんな僕達を見て彼は楽しそうにクスリと笑い《久しぶり》と口を動かした ホームルームが終わり、一時間目の授業までの10分休憩に入った 休憩と同時に僕達は転校生、キセラ・ユインの席に集まった 「アキラにショウ、雛乃も久しぶり」 やはり、僕達の知ってるキセラだ 「やっぱり、キセラだったんだ!」 アキラに微笑むキセラの昔と変わらぬ笑顔 「2年ぶりね、元気だった?」 雛乃の質問に頷き答える 「…元気にしてたよ♪ この2年間楽しかったし!」 キセラの表情が一瞬強張ったがすぐに先ほど同様笑顔で答えた 「でも、なんでこっちに戻って来きたんだ? ボク達にとっては久しぶりに会えて嬉しいけど、留学期間は3年だろ? 後、1年あるんじゃねぇの?」 アキラの言うとおり留学期間は3年、1年早く帰って来てるなんて… 「…実はさ、悪魔に追われてて、しかも悪魔の力がやたら強くて、しつこくて、1ヶ月たっても俺のこと追ってて…」 さらに話を聞くと悪魔の力はキセラの周りに居る者にまで影響を及ぼし初め、事故や病気は日常茶飯事だったらしい、そのため異界にあり、陰陽師やエクソシストの育成を行うこの学園に転校したそうだ 「何なんだよその悪魔!すげぇームカつく!!」 アキラの言葉に僕も雛乃も同じ意見だった 「そうよ! よりによってキセラを狙うなんて!!!」 二人が怒るのも無理はないがここで叫んでも何の意味も無い すると、我が妹、アキラがとんでもない事を言い出した 「よし! ボク等4人でその悪魔退治してやろうぜ!!」 …確かに僕達4人は昔、自分達にあだなす“モノ”を退治したり、封印したりしたが、力の強い悪魔を相手すると言い出すとは… アキラは一度言い出すと止まらない、今回は雛乃もヤル気満々みたいだし 毎回の如く振り回されるか… 振り回す奴も、振り回される奴も、 バカなんです… ショウ視線End
/84ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9人が本棚に入れています
本棚に追加