子どもの国

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 ジリジリと照りつける太陽の下、乾いた熱風が細かい砂を巻き上げる。  何ヶ月もまとまった雨が降っていないその赤茶けた大地には無数のヒビが入り、干ばつと砂漠化が進んでいる事が容易に伺える。    そして以前は大河が流れていただろう川幅の広い渓谷には、今は少量の水がかろうじて存在するだけで、かつての面影は残っていない。  そんな中、二人の人影が谷を見下ろしていた。  一人はスラリと背の高い妙齢の女性。  腰のある金髪を高い位置で結い上げ、真珠のように透き通った白い肌とそれに映えた空色の瞳をしている。  神話に出てくる女神のような西洋人特有の美しさを醸し出しているのだが、なぜか韓紅色(からくれないいろ)の古代東洋の女性占い師の着物を着ている。  もう一人は十代後半から二十代前半の男性で、女性よりも頭一つ分背が高く、月白色(げっぱくいろ)の襟足にかかるくらいの髪と射抜くような鋭い黄金色(こがねいろ)の瞳が特徴的で、無表情で何を考えているか全く読めない。
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