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ぴちゃり……ぴちゃり。 床の血溜まりを踏みしめ、音を立てながら一人の少女が近付いてくる。 彼女の手には血塗れの出刃包丁が握られていた。 「……もう、邪魔者はいないよ?ここにいるのは、あなたと私だけ……」 彼女はまるで焦点の合っていない、光彩の全くない淀んだ瞳を僕に向けてそう言った。 「……あぁ。僕とすみれだけだね」 僕は血の生臭さと死臭で気が遠くなりそうになりながら、彼女に言葉を返す。 「……なんでこうなっちゃったんだろうな?」 ぴちゃり……ぴちゃりと血溜まりの中を音を立てて僕に近付いてくる彼女にそう問い掛けた。 彼女は歩みを止めずに答える。 「……約束したから。ずっと、ずっとずっと一緒だって約束したから」 ぴちゃり……ぴちゃり。 「なのに……隼人くんは破った……」 ぴちゃり……ぴちゃり。 「わたしは一緒にいたかった!!ずっと一緒にいたかった!!」 ぴちゃり……ぴちゃり。 「一緒にいれないなら……こうするしか……ないの……」 彼女は僕の目の前で足を止めた。
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