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「お、野々花(ののはな)か。あの子すげぇよな。みんな注目するわけだ」
慎二は僕が視線を向けていた先に気付き、明るくそう言った。
「野々花さんって言うんだ。可愛いなって思って」
僕の肩に腕を乗せたままの慎二に言葉を返す。
「お前、知らないのな。野々花すみれ。彼女、めちゃくちゃ有名だぞ?あの容姿で中学時代は全国模試トップクラス、部活のテニスでもかなり活躍しててな。それに加えてお嬢様ときたもんだ。そりゃあ、注目されない訳がないよな」
僕の言葉を聞いた慎二は、ニヤニヤしながら彼女の事を詳しく教えてくれた。
野々花 すみれ。
この時の僕はまだ知らなかった。
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