0.厭(イヤ)な夢…

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『はっ……はぁ…ッ』 胸が、息が苦しい。 (…助けて……誰か助けて。) 浮上していく意識の中、喉から掠れた呼吸音が零れる。 『はっはっ…ッ……っあ』 呼吸が苦しくなる。 不意にこちらに誰かの腕が伸ばされた。 それが誰の者かは分かっていて、その腕に包まれることに抵抗はしない。 「流雨、大丈夫。大丈夫よ、落ち着いて…」 トントン、と優しく背中を撫でるようにあやしてくれる。 その温もりに包まれて呼吸も少しずつ落ち着いていく。
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