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『はっ……はぁ…ッ』
胸が、息が苦しい。
(…助けて……誰か助けて。)
浮上していく意識の中、喉から掠れた呼吸音が零れる。
『はっはっ…ッ……っあ』
呼吸が苦しくなる。
不意にこちらに誰かの腕が伸ばされた。
それが誰の者かは分かっていて、その腕に包まれることに抵抗はしない。
「流雨、大丈夫。大丈夫よ、落ち着いて…」
トントン、と優しく背中を撫でるようにあやしてくれる。
その温もりに包まれて呼吸も少しずつ落ち着いていく。
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