0.厭(イヤ)な夢…

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『…………え?』 「高校へ通ってみる気はない?」 『それは…』 行きたくないと言えば嘘になる。 行きたい…行きたい、けど……。 『また何かが起こって誰かが傷つくのは見たくない』 しっかりと姉さんの瞳を見つめる。 姉さんは悲しそうに微笑を浮かべていた。 「いいのよ…。貴方にもいい加減幸せというものを知って貰わないと…… 何もない家で八年も軟禁状態だったんだもの。 過去を捨てろなんて言わないけど、流雨はそろそろ自分の幸せを見つけなきゃ。」 『姉さん……』 「行って来なさい。犂侍(レイジ)さんの学園よ。犂斗(レイト)君も一緒だから楽しんで来なさい」 姉さんはそう言って綺麗に笑った。
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