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いきなり奇声を発し、チケットを握りしめながら奇怪なダンスを踊り始めた楓に、通り行く学生たちは肩をビクッと震わせながら小走りで逃げてゆく。
凛はまるで他人かのような白い目を向けた後、携帯電話を取り出し、「もしもし、警察ですか?路上で暴れる変態女が…」
『やめて!!ごめん!!謝るから、落ち着くから!!警察だけは勘弁してください!多分私には未来があります!』
慌てて止めに入った楓にニヤリと笑みを向け、「分かればよし」
と携帯をポケットにしまい、何事も無かったかのように歩き始めた。
『それにしても信じられない!!今人気が高すぎて、チケット取れるなんて奇跡なんだから!』
「へぇー、そんなにすごいんだ。ワイルドなんちゃら。大人気だぜ~?みたいな?」
『プッ!やめてよ、リン!それワイルド違いだから!』
「ははっ、だってそういうアイドルグループみたいなの、全く興味ないんだもん、アタシ」
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