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『で、リンちゃん。今週の土曜日のライブ、一緒に来てくれるよね?もちろん』
急に真剣な顔になった楓は、ぐいっと凛の顔に近付く。
「いや、近いわ!」
チークがたんまり乗った楓の頬に手を当ててググッと顔を遠ざける。
「っていうか嫌だよ、面倒くさい。何が楽しくて興味のないバンドのライブ行かなきゃいけないのよ」
『そっかぁ。リンが行かないっていうなら、無理だよね。私他に友達いないもん。友達がいない人間なんて昨今の情報化社会の中にもまだ埋もれていたんだね。文化財ものだね、私ったら…。ううん、いいの…。友達なんていらないもの…。グスン、いいのよ、ライブ行きたかったけど…修学旅行並みに楽しみにしてたライブだけど…リンが行かないなら…私…』
「わ、分かった!分かったから!ライブちゃんと行くからその切なすぎて涙出てくるような自虐モードやめて!」
とどまることを知らない楓の自虐モードに耐えきれなくなった凛は、しぶしぶながらライブに行くことを決意した。
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