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『あー、もう。楽しみすぎてパスタが喉を通らないわ。』
トロンとした目で空を見つめながら呟く楓を目の前に、パスタを食べる前にサラダバーで食物繊維を大量に摂取していたのはどこのどいつだ、と心の中で突っ込みを入れた凛は、大好物のたらこパスタを口に頬張った。
『それにしても、凛はやっぱスゴいわ…。』
パスタを美味しそうに頬張る凛の顔をマジマジと見つめながら、楓はこの店に入るまでの事を思い出していた。
ー
「どの店にしよっか、何食べる?」
『近くに美味しいパスタのお店あるらしいよ!そこにしようよ!』
「いいねー、パスタ!たらこにしよー♪」
そんな会話をしている最中、通りすぎる人たちの視線が二人に刺さる。
二人を見て驚いたような顔で通りすぎて行く人もいれば、うっとりとした顔で立ち止まってしまう人もいて、反応は様々だが。
楓はその理由を知っていた。理由は…他でもない、凛にあったのだ。
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