第一話 イジメ

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「おい!!!今万引きとか言わなかったか!?」 遠くでどこかで聞いたような男の子の声がする。 目を凝らせば、私のクラスの副委員長の長谷川くんだった。 「やべ、逃げるぞ、胡桃、美優、千尋」 3人の内の誰かの彼氏らしき人物が走り出した。 「あ、ちょ、待ってよ貴斗(たかと)」 4人は一目散に逃げていった。 「おぉー。 君は、えっと……」 「そ、園崎 綾女」 「ああ、そうだそうだ! 右から二列目の前から三番目の席の子だよな!」 そこまで覚えていてなぜ名前は覚えていないのか。 「気をつけて帰れよ、なんなら一緒に帰るか?」 「けっっっっこうです」 私も逃げるように去っていった。 チャラい人だなあ。初対面に等しい人と一緒に帰るなんて……。
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