第一話 イジメ

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「私メロンパン」 「あーじゃあ俺レモンティー。胡桃もだろ?」 「うん、あとモチモチパン!」 「胡桃優しいなあ。一番安いパン選んでやったのかよ」 「ダイエット中だしね、アハハハ」 次々と飛び交う注文。一瞬何が起こっているのか理解し難かった。 呆然としていると愛川さんが鬼のような形相で、 「早く買って」 と言う。 パシリにされているんだとわかった。とてもとても悔しかった。 だけど、六人が相手のこの孤立無援な状況。一体誰が断ることができようか。 「綾女ちゃんやさしーねー!俺もついて行こうか?」 さっきエロい視線をふんだんに送ってきた男子が茶化してくる。 私は怖くなり、無我夢中で買いに行った。
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