プロローグ

5/6
前へ
/37ページ
次へ
この学年、1年生のクラスは6組まで存在する。 しかし最後の6組は障害者向けの養護学級である。この学校はそちらの方面にも力を入れているのであった。 しかし6組は10人と満たないので、やはりこちらも単純計算で、多少誤解を招かざるを得ないが、1クラス40人と考えてもらって些かの問題もない。 そしてその(およそ)40人もいるのであればやはり、物静かな子、悪く言えば陰キャラであったり、垢ぬけた子、こちらも悪く言えばギャル等がすでにカテゴリーとして存在する。 無論、入学当時から人気者な少年を、学校が始まって早々気に食わなく思うような生徒もいれば、どうでも良いと思う者もいる。 「英語はもちろん、フランス語も話せるよー。 まあ日本(ここ)では使い道ないけどね」 おぉーっと周りが歓声をあげる。 所謂不良と呼ばれる男子グループは流石に初日なので様子見という感じで、内輪で話し合っていた。イジメのターゲットでも決めているのだろうか。 「おーい、それじゃあみんな出席番号に従って席につけー! 今からクラス委員や保健委員等を決めるぞー!」 担任と思われる30歳後半の男性が裏声まじりの声を貼る。教師も少なからず緊張しているようだった。
/37ページ

最初のコメントを投稿しよう!

53人が本棚に入れています
本棚に追加