第一話 イジメ

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ある日、私は前から配られたプリントを後ろに配るときに、ある女の子に話しかけられた。 私の直ぐ後ろの席の愛川 千尋(あいかわ ちひろ)さんである。 派手な子で、私をいじめていた赤坂や馬場と似た雰囲気を醸し出している。 「あんたその爪なに?」 「え、あ、え? ま、マニキュア? か、可愛いでしょ?えへへ……」 「マジキモいんだけど」 「……ごめんなさい」 私はそっと視線を外し、そのまま前をむいた。 どうやら愛川さんは不機嫌のようだ。 そっとしておこう。 そう思いつつも、その日1日は、私の頭はこのことでいっぱいだった。
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