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魔法学園地下三階のとある一室。少女らしき人が部屋の中央にある巨大な壺が尋常じゃない揺れを見せる。
「ここはもうダメよ――」少女は絶望を含めた声をもらす。「大丈夫だ。君だけは。」部屋に一つ、成人の男性の声が加わる。
「もうじきここは死者で溢れかえる。君は逃げろ。君なら逃げられる。虜にもされない。」
青年――ウリアスは少女の手を引き、部屋から出そうとする。
細くて、折れそうな腕だ、青年は思った。
「君は――この事に自責の念にかられることは無い。君は被害者であり、傍観者だ。」
少女は振り絞るように言う。「何故あなたは私を助けてくれたの?」
「自己満の罪滅ぼし。」青年が腕を振り上げると、それに呼応するよう、少女は部屋の外へほうり出された。
部屋の扉は固く閉じられ、中から悍ましい、この世の者ならざる声がした。
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