教室

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ならば教卓に伏せなきゃバレない。 完璧な理論が出来上がった。 幸いにも机の空きは五席ある。 だがここで安心するのは三流。 一番バレにくいであろう場所、そこを計算してこそ一流だ。 まず一席目、窓際の前から二番目の位置。 寝るには最適。太陽の日差しが差し込み風も充分、その席には絶対の安眠が約束されているだろう。 だからこそ目立つポジション。ここはないな。 二席目、廊下側の一番後ろの位置。 窓際よりも睡眠には適さない。だが、一番後ろの席。故に目立たないという大きなアドバンテージがある。 最有力候補と言ってもいいだろう。 …いや待て、目立たないと分かっていてそこを見落とすだろうか? 目立たない位置だからこそ注意される危険性はないだろうか。 もし俺が生徒なら確実にそこは見落とさない、必ずチェックするだろう。 あぶねえ…。 三席目、廊下側から二列目の一番前。 却下だ。一番前、言うまでもないだろう。 そしてなによりもその左隣が四つ目の空席。 二席並んで空席なのにそこが急に一席埋まったらどうだろうか。凄く目立つ。 どうやってもバレるだろう。 五席目、教室の中央の位置。 もちろんバレる。 座った瞬間確実にバレる。中央なんてどう足掻いても目立つ。どんな凄腕忍者でも周りの人間にバレずに座るなんて不可能だろう。 さすがにここはない、と思うだろ? だからこそ盲点、だからこそ狙い目という考え方ができないだろうか。 絶対にないという油断が人の視界を狭くする。 これが勝利の方程式。 これだ、これしかない。 勝った、そう確信できるほどに。 日差しも増しそれに比例して教室内も更に心地良くなっていた。
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