夏と言えば海、人目につかずに○○

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大輔は、麗奈によって砂浜の上で正座させられていた。 「で、妻崎。真理亜の水着を脱がせた理由、聞かせてもらおうじゃないの。」 (……ば、バレてる…………) 大輔の眼から見ても、麗奈がお怒りだというのはすぐに分かる。 笑顔なのに目が笑っていない。 「はやく言いなさいよ。これ、犯罪だからね?」 「あ、え、そのですね……」 「シャキッとする!!」 「は、ハヒ!」 麗奈のオーラが凄まじいらしく、麗奈の周りには人がまったく往来していない。 「わざわざ近藤佑磨との接触を狙ってたでしょ。しかも、二人っきりになるようにまでし向けて。」 「わ、分かってんのかよ……」 「うるさい!無駄口を叩かない!」 「は、ハヒ!」 「いいかしら、物事にはやっていいこととやってはいけないことがあるの。分かる?」 「は、はぃ……」 「それで、あなたはやってはいけない方のことをやってしまったわけ。」 「は、はぃ……」 「本当に分かってるの!?」 「も、もちろんです!!」 もはや大輔は麗奈の顔すら見れずひたすら下を向いて説教が終わるのを待つだけだ。 (……くそー、なんで蓮のやつはここまで凶暴な女を手懐けてたんだよ!) 大輔が悪いだけなのだが、それは本人には言わないでおこう。 とにかく、小一時間説教されたのちようやく大輔は正座から解放された、と思ったのも束の間だった。 「ふぅ、やっと終わったか。」 「じゃ、今から罰を与えるわ。」 「え、マジっすか!?って!ちょ、まっ、あぁぁぁぁぁぁつ!!」 数十分後、砂浜に二つの身体が頭以外垂直に埋められていた。 「なあ、大輔。おまえ何やったんだ?」 「真理亜にちょっかいかけただけだよ。」 「ひでぇよなそんだけでこの仕打ちって。」 「ああ、まったくだ。で、おまえは?」 「遥香に『胸、少し膨らんだ?』って聞いたら気づいたら埋められてた。」 「…………うん、俺が悪かったよ。」 さすがの大輔も、健には不憫さを感じさせられずにはいられなかった。
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