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「ねぇ、人が埋まってるよ!」
埋まっていた大輔と健のところに小学生くらいの子供がやってきた。
このビーチは少し離れたところに街があるので、そこからきた子供達なのだろう。
そこにリーダー的存在になっていた男の子が、恐ろしいことを口にした。
「蹴っていいのかな?」
それを聞いて別の男の子がワクワク感を全面に出しながら「面白そう!」と2人のところに近寄ってきた。
「ば、ばかおまえら!蹴るんじゃねぇ!」
「そ、そうだぞ!蹴るのはお子ちゃまだけだ!」
大輔と健が必死に蹴らないようにお願いするが、子供達は天邪鬼だった。
「蹴るんじゃねぇ!って、フリだよね?」
「蹴ってほしいってことかな?」
「それにお子ちゃまなら蹴っていいみたいだし……」
ヒソヒソと子ども会議をする様子を見て2人は顔を青くする。
(おい、健!おまえ何言ってんだよ!)
(うっせぇな!俺の頭に求めるな!
それよりおまえこそ変な頼み方するなよ!)
(あ゛ぁ?!俺は当然のこと頼んだだけだろうが!)
(いやでもおまえの方がきっかけだろ!)
(んなこと言ってるならこの状況をどうにかしやがれ!)
(できるかこんな状態で!!)
(……くそ、役立たずが。)
(てめぇもだろ!?)
(ギャーギャーうるせぇな!おまえは勝手に蹴られて……あ。)
(おい、どうし……げ。)
「おじさんたち、いっくよー!」
2人の目先には、子どもたちの足が差し迫っていた。
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