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ふわりと靡く銀の髪。
若干小柄で、凹凸の少ない身体に、端整な顔立ち。
間違いない。
未夢(‥‥影里)
未夢も気付いたみたい。
影里(う、うん。間違いないよ)
楽「ほいじゃ、自己紹介を」
?「はい」
銀髪の少女はチョークを手にし、スラスラと名前を書く。
篝 琥珀。
黒板にはそう書かれていた。
琥珀「篝 琥珀(カガリ コハク)です。これからよろしくお願いします」
あの時の「ケダモノ」の時とは正反対の、まるで天使が囁くような声でそう一言。
次の瞬間。
ウオオォォォォォ!!
「可愛い!」
「銀髪とか初めて見た!」
一気に教室が騒がしくなった。
影里(うっわぁ‥‥やっぱ転校生は大人気だね‥‥)
でも僕は知ってるよ。
彼女は口が悪いってね!
まぁ、あれは僕も悪いんだけど。
楽「よし。じゃあ席は‥‥竹崎の右隣で」
琥珀「はい」
あれ。よく見たら右隣空席だ。
え? 隣?
琥珀「───!」ピクッ
あ、目が合った。
影里「‥‥え、えっと‥‥よろしく‥‥」
琥珀「‥‥‥‥」
楽「特にお知らせ無し。じゃあ授業の準備して待つようにー」
「先生相変わらずてきとー」
楽「そ れ が 俺 だ」
超理論ですなぁ。
ガララッ‥‥
ドヤ顔のまま教室を去る先生。
すると。
ガタガタガタァッ!!
やっぱり。
クラスの大半が席を立ち、転校生の琥珀に駆け寄る。
「ねーねー篝さんて何処から来たの?」
「変わった名前だねー」
「彼氏いるのー?」
「ハァハァ」
質問責めだね。何か変態いたけど。
琥珀「‥‥そうですね‥‥」
わぉ。答えてるよあの娘。
複数人からの質問を聞き分けるとか聖徳太子もビックリだ
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