wrong mission 01-1

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「カズ、行くぞ。」 そう告げて歩き出す。 が、足音が聞こえない。 「おい、カズ?」 後ろを向くと一点を見つめてボーッとしていた。 「カズ?何してる。行くぞ。」 「‥ぁ、はい!」 浮かない顔をして俺の元までやってくる。 「おい。カズ体調でも悪いのか?ほら、顔上げてみろ。」 そう言って顎を持って上を向かせると、涙目で涙を流さないように我慢していた。 「なんだ、まだ泣き足りないのか?ほら。」 そう言って細い腕を引いて、胸の中で優しく抱き締めてやる。 カズの首元に顔を埋めると、女の子ような甘い香りがした。 サトシくんはもう少し甘い香りがする。 あー、駄目だ俺。 最近依頼ばっかり受けてるからサトシくん不足。  
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