246人が本棚に入れています
本棚に追加
『・・カケルッ』
辛そうに俺の名前に叫ぶ、緑色の瞳をした彼を抱きかかえて俺は炎の中を飛び出した。
どうやったのか分からない。
気が付いたら、空を飛んでいた。
背中には真っ赤な羽をつけて‥腕の中には紅色に染まった少年を抱えて、月に向かって飛んでいた。
ーバンッ
背後で何かが爆発した音が聞こえた。
後ろを振り返ると、炎がfireを包んでいた。
ただただ、真っ赤な炎が家を村を燃やしてゆく。
街が暗い中、火花を散らしながらfireだけが紅く光っていた。
『"キレイダ。"』
不覚にも、俺はそう思ってしまった。
最初のコメントを投稿しよう!