*rest

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なんであの時嘘をついたんだろう?そう思った。 (でも今なら解る気がするよ。朱雀様は将ではなく、カケルでいる時の自分が好きなんだ。) 心の中で誰かがマサに話しかける。 君はだれ? (俺?俺は‥優だよ。) 優?同じ名前だ。 (だって、優はマサだから。君が眠っている間の優だよ。) 俺‥眠ってたの? (うん。とても長い間殻に閉じこもっていたよ。) 何故俺は眠っていたのだろう。 ねぇ、君は僕なんだよね? じゃあ‥俺と一緒になってくれないかな? (眠っていた間のことが知りたいの?) うん。 (ーーーーーいいよ。) その言葉の後、何か暖かい光に包まれて‥ 眠っていた間にあった出来事が全て頭の中に流れ込んできた。 将くんが俺に向かって手を振っている。 将くんが俺の頭を優しく撫でてくれた。 近所の子をいじめた時、将くんが強く叱ってくれた。 少し大きくなって、まりつきしか知らない僕に将くんが戦い方を教えてくれた。 そうだ‥風のabilityを教えてくれたのは将くんだった。 将くんが必死になって俺を抱え込んで敵から身を守ってくれる。 『将ちゃん』『将にぃ』 俺が、優が、嬉しそうにして朱雀様を呼ぶ。 すると‥将くんが優しい笑顔で笑ってくれた。 あぁ、俺は朱雀様に救われたんだ。 朱雀様が大好きなんだ。 そうなんだね、将ちゃん。    
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