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父は泣いていた。
母さんの名前を呼びながら、
母との背徳の日々は俺の高校卒業まで続いていた。
母の死になにも感じなかった。
むしろほっとした。
隣で泣く父を見ながら、父に声をかける。
『なんで泣いてる?かあさんのことなんて愛してもいなかった癖に』
『なにを?お前は泣きもしないんだな?』
『泣く?なんで?やっと解放されたのになんで泣くんだよ。』
『どう言う意味だ?』
俺は父に全てを話した。
母が苦しんでたこと
いつも泣いていたこと
自分が母に犯されたこと
今の今までその関係が続いていたこと
淡々と冷めた目線を父に向けながら話した。
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