5人が本棚に入れています
本棚に追加
ドスンッ。
背後で何かを落とす音が重く鳴り響く。
『ヒルズ、俺は出来ぬ! これはフェアじゃないからな。ガッハハハッ』
恐らく武器を下ろした音だろう。
『馬鹿者!! 今、こやつを逃がせば、ワシらは必ず殺される! この人間は我々の脅威なのじゃぞ!!』
リナを正面から離した瞬間、貴様を殺す気だぜ俺は。
『人間、ワシの負けじゃ、ワシに止めをさせ』
後ろのワニ公が叫ぶ。
ふっ。 武士道を貫く魔王が居る者だな。
それに対し、あの糞ジジイは。
『動くな! 次動けば娘を殺す』
ヒルズは爪から溢れ出す、何かの液体をリナに近づけた。
恐らく毒。
「ちっ、糞ジジイが!!」
その時、リナの口元が僅かに動いた。
最初のコメントを投稿しよう!