~成人式~

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「はぁはぁ……」 走っても走っても景色が変わらない。 何処か隠れる所を探さないと。 「ひゃっはぁっ! みぃ~つけた!」 「ほら、早く逃げろよ! ひゃはははっ」 くそっ! 追いつかれた。 正面にガーゴイル2体が剣を握り締めて、ニヤニヤと笑っていた。 「折角チャンスを与えてやったのになぁ!」 「残念だ。ひゃはははっ」 あの町で、俺達はこの2体にチャンスを貰った。 5分間ここで待ってやる。 その間に逃げ切れたらお前の勝ちだと。 だから俺は必死に走った。 端からチャンスなんて無いと分かっていた。 奴らは遊んでいると分かっていた。 けど俺は…… それに縋るしか無かった。 もし生き延びだら、絶対に強くなって奴らを倒すと。 その時は奴らにチャンスなんてやらない。 一瞬で倒してやる。 そう強く思っていた……しかし、実際に奴らから逃げ切れ無かった。
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