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「ふぅー…今日も人助けをしたなぁ。次はどの街に行こうかな。」
「待って!」
「ん?」
「あなた…何故私を助けたの!?私を助けても何のメリットもなかったのに…」
「あったよ。」
「え?」
その謎の男は笑顔で言った。
「そうやって貴女みたいな美人が無事に過ごした姿が見れた。というか…貴女に会えただけで俺は眼福さ!てことでじゃあねー」
「待ちなさい!」
「ん?」
「私にお礼をさせて!そんな助けられたままで貸しを返せないのは私の主義に反するから!」
あー言っちゃった…これで何されても文句は言えなくなってしまった…
「なら笑顔を見せてよ。お礼はそれで充分だからさ。」
「え?笑顔?」
何を言い出すと思えば欲の少ない男だ。
そして笑顔なんてすぐには作れない…
「そう。できないの?」
「そんなすぐには…」
「じゃあ…できないならいいよ。じゃあねー」
「待って!」
「なんだよー」
「ならお供させて!お礼ができるまででいいから!」
「…いいよ。」
えっいいのかよ!
「やけにあっさりしてるのね…」
「だって貴女みたいな美人な人と旅ができるなら拒む必要はないでしょ。」
この男…さっきから私のことを美人美人って言って…私自身そんな自信はないのに…
「あなた名前は?」
「俺はエルダイン。旅をしている剣士さ。」
「私はシャーネよ。私も旅をしている剣士よ。さっきを助けてくれて…ありがとう…」
「気にするなよ。さぁ行こうか!シャーネ!」
彼はそう微笑みながら私の手を引いて次の街へ向かって行った。
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