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パソコンをたちあげ、横には資料を並べ
新聞を手にして、携帯を凝視する
彼。
セットする前のストレートな黒髪が、窓から入る風にさらさらと揺れる。
「愁さん?」
きちんと衣装を身につけ、メイクまで終わらせて、すっかりアイドルの顔になったゲーマーが呟くように声をかける。
「あ、何?きい。」
「いや、大丈夫?」
なにがー大丈夫に決まってんじゃん
顔をあげて微笑を浮かべる彼は、透き通るほどに白く、儚く。
「仕事、詰め込みすぎじゃない?
24時間も、五輪もあって忙しいのわかるけど…」
「確かに疲れてる。
けど、役を背負ってない分、気分は軽いんだよ。
だから大丈夫。」
隣に座ってくる心配顔のゲーマーの為に、少し場所をあける。
「おじさんと、ちゃんと2人になる時間作れてるの?」
「そうくん?
今忙しいでしょ、無理だよ。」
"おじさん"の単語に隠すことなく顔を綻ばす彼を見て、ゲーマーはニヤリと口角をあげる。
「あんたらは2人だけの時間がないとすぐダメになるんたら、遠慮しないでおしかけちゃいなさいよ。」
おじさん、明日は午前オフって話ですよ
「夜、行って、色々満たされてきなさいよ。」
ゲーマーに耳元でそう呟かれた彼は、ポンっと音をたてるがごとく一気に頬を朱に染め。
「きぃ…なんてこと言うの!」
うぅ…そうくん怒んないかな…
会いたいな
なんて可愛いことを言っては
あまりの恥ずかしさに、さらにゆでダコのように赤くなるのだった。
「おじさん、貸し一つですよ」
「おう。ありがと。」
end
ごめんなさい(>_<)
初の短編がこれっ!?
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