>>01 彼を動物にたとえるなら……。

3/62
899人が本棚に入れています
本棚に追加
/231ページ
  去年の5月に出逢い、好きになった昂希君との間には色々なことがあったけど、それも乗り越え、晴れて恋人同士になれた。 それから早いもので3ヶ月。 ケンカはないし、言い合いしたといってもじゃれ合いながらで、正直交際は順調過ぎるんじゃないかと思うほどだ。 私は相変わらず、昂希君のペースによく流されてしまうし、昂希君は相変わらずクールで、無邪気な一面はたまにしか見せない。 あどけない寝起き顔なら、私が彼より先に起きれた時に、見れるんだけれど。 「渚は? 渚は涼太君とどう?」 「あ! それ聞いちゃう?」 「うっ」 テーブルに両手をつき、ズイッと顔を近づけてきたもんだから、思わず反射的に仰け反ってしまった。 「き、聞いちゃまずかった?」 体制を崩せないまま、小声で尋ねる。 「んーん」 渚は目を伏せながら首を横に振って、元の体制に戻った。 「全然。 むしろ聞いてほしい。 というか、愚痴ってなきゃやってらんない」  
/231ページ

最初のコメントを投稿しよう!