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「ケンちゃん、宿題どこまで進んだぁー?」
私はノックもせずに部屋のドアを開ける。
「うわっ!…びっくりさすなよ、ハル!」
宿題をしているはずのケンちゃんは、窓のサッシに片足をかけている。
「何してんの?」
明らかにどこかへ脱走しようとしている態勢のケンちゃんに質問する。
「…フフフ。内緒。」
ケンちゃんは不敵な笑みを浮かべる。
「おばちゃーん!ケン…モゴモゴ…」
店先にいるケンちゃんのお母さんに大声でチクろうとすると、口を塞がれた。
「アホかお前!…わかった、教えるからチクるなよ。」
ケンちゃんが焦ってる…、どうやら作戦成功だ。
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