宿敵ケンちゃん

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「今日、兄ちゃんからサーフィン教えてもらう約束してるんだ♪」 思わずスキップでもし始めるんじゃないかと思うくらいルンルンなケンちゃん。 「えー!?ズルい!ズルい、ズルい、ズルい!!」 サーフィンなんて中学生以上にならないと出来ないもんだと思っていた私は激しく羨ましがった。 「お前は帰って宿題しろよ!後で写させてもらいに行くから、それまでに終わらせとけよ♪」 ケンちゃんはにんまりと笑いながら私の肩を2回叩くと、再び窓のサッシに足をかけようとする。 そんな理不尽な話があるもんか!! 「おーばーちゃーーーーん!!!ケッ…ゴフッ!!」 今度は私の首を絞めてくるケンちゃん。 「あーもう!付いて来るだけだぞ!?ボードには乗せないからな!」 私は首を絞められながらコクコクと頷く。 そして二人でケンちゃんの部屋の窓から屋根をつたって、猿のように脱走した。
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