3人が本棚に入れています
本棚に追加
/75ページ
以前も感じたことがなかったか?言いよ うもない存在感のある何かに…
足が止まる。
「用じゃないんだ。 ただ、気になって…、ごめん。」
木の蔭から顔を覗かせ、こちらを見据え たまま、彼女はコクりと首を傾げた。
「われを探しておったか?陽」
名を呼ばれると思ってなかったのでいて 驚いた。 知り合い? どこで?
「えっ?」
何で?名前…?
何処かであったか?
思わず呟いた声すら聞こえていたようで ため息をつかれてしまった。
「なんじゃ、あんまり薄情だとわれも考 えてしまうのぉ、我を忘れたか?陽」
つとつと歩みよると頬をぷに、 と摘ままれてしまった。
最初のコメントを投稿しよう!