序章

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「では、私どもが捕獲に入ると言うこと でかまいませんね。」 「かまわんよ。わしも長くはないしな」 そう言うと男は茶をすすった。 頭髪はいくばくも残っておらず、節くれ だった手と深くシワを刻んだ顔が男の生 きてきた年月を感じさせた。 「一族の方々はご納得を?」 頭髪を後ろに撫で上げ、眼鏡の奥から血 の温かさ感じさせない目で静かに問うた 男の方は30をまわった位のだろうか? 黒いスーツを着こんだ姿は、どこかでの んびりビジネスをしているようには見え なかった。 「しておらんだろうな、何やらこそこそ と動いておるようだ。」 そう答えたもののスーツの男の方へは目を向けなかった。
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