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普段は忘れていてもやはりこの山に帰ってくると忍び寄るように、潜むように気配は無くならない。
ながい、長い、永い間、引っ掛かっていた物が角を落とし力を失い自分の中に力なく堕ちる。
椿姫の名が言霊を失なった。
「オレが呼ぶ名じゃないんだな、サフ」
微笑んでいるだけじゃない目が力を増し、オレを捉え突き抜けて行く。
これは肯定。
「うわ!、交通費取り損ねたじゃん!」
叔父は目的を達し、オレはしくじった。
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