思い出

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「黙ってないと舌を噛むぞ」 タッタッと軽快な足音を響かせながらひと一人抱き抱えているとは思えないスピードで森のなかを駆け抜ける。 立場逆だし、台詞も逆。 「サフ男前過ぎでしょ」 逆と言ってもサフを抱えあげたら走れる自信は無いけど 「惚れたなら素直にそう言って良いぞ」 頼もしさと共に込み上げる安心感。 きっとお姫様はこんな気分に違いない。 「サフ、ダーイスキ」 ありったけに可愛らしく、感情込め込めで言ってみた。 「たわけ」 マッハで振られた。
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