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その様にして流れ去った時間が十六年……
あまりにも長い。
過ぎ去った時間の膨大さに圧倒され自分が失った物に気づき途方に暮れる。
同級生は皆、結婚していったが、私はそんな事には目も暮れずひたすらに“鉄の車輪”と向き合い続けてきたのだ。
来る日も来る日も“鉄の車輪”の事だけを考え続け、
政府の審議員が求める完璧なる“鉄の車輪”の製作にだけ人生を捧げてきた。
気が狂わんばかりの日々──
狂気に飲み込まれそうになりながらも“鉄の車輪”とともに過ごした十六年と言う年月──
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